株式会社BEC CEO 日記

「Gozal」を運営する会社での日々

プロジェクトを改善するために必要なことは制約条件を管理するだけでいい

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公認会計士試験を受けていた人なら、いやでもTOC(制約理論)の考え方が頭に入っているだろう。自分も例に漏れず、制約理論の美しさに魅せられた人間の一人である。

運良く会計士試験に合格したあとに、当時まだ学生だったこともあって時間があった。大学の図書館にこもって、提唱者である故エリヤフ・ゴールドラット氏の本は全て読み込んだ記憶がある。

最近ほとんどTOCについて考えてなくて、忘れてきたので、復習がてらこの日記にアウトプットしようと思う。詳しい方がいらっしゃればぜひ語りたいので、お声がけいただきたい。

 

制約理論とは

あらゆる営利組織には、プロジェクトがより高い業績を達成するのを妨げる、ひとつ以上の制約がある。そしてその制約を把握し、注意することが重要であるという理論だ。

 

 

制約を管理するだけで良い

大胆にいえばプロジェクトをより良い状態に導くために必要なことは、制約を管理し続けることだけだ。より良い状態とはビジネスにおいては「キャッシュを生み出すスピードの改善」だ。それ以外は極論どうでもいい。

キャッシュを生み出す時間を現時点よりも短くするために何が制約になっているのかを高頻度で見直すことを意識する。なぜ高頻度で見直すことが必要かというと、制約は常に動くからである。

 

制約は常に動く

例えばフィールドセールス担当者がプロダクトを販売するために毎月30件の商談を行っていて、成約率が10%だったとする。つまり納品受注数は3件/月となる。しかし、製造チームに目を移すと、プロダクトは1件/月しか作る能力がない。それなら制約は製造能力ということになる。

この時「キャッシュを生み出すスピード」を上げるためには、フィールドセールスを何百人も採用して、納品受注数を1,000件にまで増やしても、製造は最大でも月1件しか作れないので、売り上げは変動しない。

一方で製造チームの人員を増やして、月に5件/月のペースで製造する能力を獲得できればフィールドセールスで獲得してきた案件は全て1ヶ月以内にキャッシュに変わることになる。

その時点で制約はフィールドセールスの能力に移動していることがわかる。5件プロダクトを製造しても、セールスチームで獲得できるのは月に3件の案件だ。2件の製造物が滞留し、キャッシュに変化するのを待っている状態になる。

 

ただ、制約がどこにあるのかを常に把握していれば次に、何に投資をすればいいのか明確になるので、事業を拡大するために打つべき手が明確になっている。

 

 

プロジェクトを改善するアルゴリズム

制約を意識したプロジェクトの改善サイクルは下記のようなイメージだ。

 

1.キャッシュが生み出されるまでのプロセスを全て明確化する

2.プロセスごとにパフォーマンス(キャッシュを生み出すスピードベースで)測定

3.キャッシュ創出スピードが、どのプロセスに制約(規定)されているか分析

4.制約を改善するための施策を打つ

5.1に戻る

 

このプロセスを繰り返す習慣を組織にインストールすることができれば、自然とキャッシュ創出能力を高めることに繋がっていく。

 

 

前提として持つべきマインドセット

イスラエルの物理学者でもあるエリヤフ・ゴールドラット博士の本でとても心に刺さった言葉がある。これらの言葉は制約理論をベースにプロジェクトを管理していく上で必ず持つべき考え方である。

 

1.いかなる状況であったとしても、必ずそこから劇的に改善できる

たとえ今どれだけいけてない状況でも、本気でやりきるのであれば、状況は劇的に改善できるということ。さらにいえば、今満足できるほど改善されたあとであっても、さらに劇的に改善できる。

この考え方は本気で信じることができていない人は、プロジェクトの改善をやりきることができない。絶対に忘れてはいけないマインドセットだろう。

 

2.問題は人ではなく、システムにある

どんな問題、トラブルが発生したとしても、それは特定の誰か個人の責任にする必要はない。そういったトラブルを防げないシステム・考え方に責任がある。とにかく「問題は誰か?」ではなく「問題は何か?」を追求することを忘れてはならない。

人に責任を押し付けて、やめさせるということは問題の根本解決にはならない。必ず同じ問題が再発してします。

何がその問題を生み出しているのか、根本原因を追求することに手を抜かないことが重要だとのこと。

 

3.解決すべき課題は必ず1つか少数の根本原因である

ほとんどのプロジェクトは、一見するといたるところに問題やバグが発生しているように見える。その状況に焦る人が多く、途方にくれるシーンも少なくないだろう。

ただ、どんな状況でも本質的な課題は必ず少数の根本原因によって生み出されており、粘り強く、課題を分解していけば、全く焦る必要がないことに気がつく。

よくあるのは複数の課題の解決策が、互いに相反していて、トレードオフになっているように見えるケースだ。しかし、考え抜くことができれば、トレードオフになるケースはほとんどない。そう思ってしまっているだけだ。

複数の問題の根本原因を深堀できれば、解決すべきことはほとんどの場合、1つに絞ることすらできるだろう。

 

 

まとめ

久しぶりにTOCの考え方をまとめてみたが、やっぱりすっきりとした理論だなと思う。もちろん常にルール通りに綺麗に解決できるわけではないし、それに縛られ過ぎると革新的な発想やアイデアを殺してしまうかもしれない。

基本を大切にしながら、理論の常識を時々疑うことも意識していきたい。